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物流業界団体とは?|主要団体4選と現場改善・自動化検討への活かし方

2025.12.24

はじめに

物流業界団体とは、物流事業者や荷主企業、物流設備・システムベンダーなどが加盟し、物流業界全体の健全な発展や高度化を目的として活動する組織です。

物流業界では、こうした物流業界団体が発信するガイドラインや調査資料、事例共有などを通じて、制度動向や業界全体の方向性を知ることができます。

一方で、実務の現場では次のような声も多く聞かれます。

・「業界団体の情報は集めているが、自社の現場にどう当てはめればいいのかわからない」
・「自動化やDXの話は出ているが、どこから手を付けるべきか整理できていない」
・「制度やトレンドは理解したが、具体的なアクションに落とし込めていない」

特に、物流現場の改善や自動化、体制見直しを検討する局面では、業界全体の動向を知っているだけでは不十分で、自社の倉庫条件・業態・オペレーションに照らし合わせて「何が成立し、何がリスクになるのか」を整理することが重要になります。

本記事では、主要な物流業界団体の役割や特徴を整理するとともに、それらの情報を自社の物流戦略や現場改善にどのように活かすべきか?という実務視点からの考え方を解説します。

物流業界団体の情報を“知識”で終わらせず、次のアクションにつなげるための整理軸として、ぜひ参考にしてみてください。


物流業界団体の主な活動と物流現場への影響

物流業界団体の主な活動には、物流に関する調査研究、業界ガイドラインや指針の策定、行政・関係機関への政策提言、人材育成や教育、業界内外の情報共有などが含まれます。

多様なプレイヤーが関与する物流業界において、共通言語や共通認識を形成し、業界全体の方向性を示す点で、業界団体の存在は重要な意味を持っています。


物流業界団体が果たすもう一つの重要な役割

物流業界団体の役割は、情報発信や制度対応にとどまりません。

業界団体は、物流に関わる多様な立場の企業や専門家が集まり、現場課題や将来リスクを共有するための「議論の場」としての機能も担っています。

物流業界は業態や規模、取り扱い商材によって課題が大きく異なるため、個社の視点だけでは見落とされがちな論点も少なくありません。

こうした中で、業界団体は現場実務と制度、技術、社会要請をつなぐ中間的な立場として機能しています。

現場で生じている課題を整理し、業界全体として共通化できるテーマとして可視化することで、行政や関係機関との建設的な対話が可能になります。

このプロセスを通じて、現実とかけ離れた制度運用を防ぎ、実務に即した改善につなげる役割を果たしています。

企業にとっては、こうした業界団体の動きを把握することが、自社単独では得られない視点を補完し、中長期的な経営判断の精度を高めることにつながります。


物流業界団体① 日本3PL協会


出典 公式サイト:https://www.3pl.or.jp/

日本3PL協会は、サードパーティ・ロジスティクス(3PL)の普及と高度化を目的として設立された業界団体です。

3PLとは、荷主企業が物流業務の一部または全体を外部の専門事業者に委託し、物流機能全体の最適化を図る手法を指します。

同協会では、3PLに関する市場動向や導入事例の調査研究、セミナーや研究会の開催、情報発信などを通じて、3PLの正しい理解促進と品質向上に取り組んでいます。

3PLは単なるアウトソーシングではなく、物流コストの最適化、業務プロセスの再設計、サプライチェーン全体の効率化を支える戦略的な取り組みです。

物流の高度化が進む中で、荷主と物流事業者の役割分担や責任範囲を明確にし、双方が付加価値創出に集中できる体制構築が重要になっています。

日本3PL協会は、そうしたパートナーシップの健全な発展を支える存在といえます。

・会員数:約300社超 ※協会の公開資料・総会報告
・会員構成:3PL事業者を中心に、物流業務の外部委託や業務改革に関与する企業が多い
・役員構成:物流事業会社の経営層・役員クラスが多く、現場運営と経営管理の両立を前提とした視点が強い
・主な領域:物流アウトソーシングの品質向上、業務設計、取引環境、人材確保など、運用・実務面が中心
・政策との関係:総会・講演会に国土交通省や経済産業省関係者が来賓出席する実績あり。物流現場の実態を整理し、官民で共有する意見集約の場として機能している


物流業界団体② 一般社団法人 日本マテリアル・ハンドリング協会(JIMH)


出典 公式サイト:https://www.jmhs.gr.jp

日本マテリアル・ハンドリング協会(JIMH)は、マテリアル・ハンドリング分野の発展を目的とした業界団体です。

マテリアル・ハンドリングとは、物流現場における運搬、保管、仕分け、取り扱いといった作業全般を指します。

JIMHの特徴は、設備や自動化技術だけでなく、人、運用、安全性を含めた総合的な視点から物流現場の改善を捉えている点にあります。

マテハン機器やシステムに関する調査研究、用語や概念の整理、セミナーや展示会の開催などを通じて、現場に即した改善の普及を支援しています。

・会員数:正確な数値は非公開(年度ごとに変動)
・会員構成:マテリアルハンドリング機器メーカー、物流システムベンダー、関連技術企業が中心
・役員構成:マテハン機器・物流システム分野を代表する企業の経営層が多数を占める
・主な領域:マテハン機器・技術の調査研究、用語定義、概念整理、安全性・標準化
・特徴的な立ち位置:個別製品の優劣ではなく、物流現場を支える技術基盤の共通化・体系化に重きを置いている
・政策との関係:制度提言を主目的とせず、技術・安全・標準に関する知見提供を通じて間接的に政策形成を支える立場


物流業界団体③ 公益社団法人 日本ロジスティクスシステム協会(JILS)


出典 公式サイト:https://www.logistics.or.jp/

日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は、日本の物流・ロジスティクス分野を代表する公益法人です。

物流を単なる輸送・保管業務としてではなく、経営戦略の一部として捉えるロジスティクスの概念普及を長年にわたり推進してきました。

物流コスト管理やKPI設定に関する指針の提供、調査研究や白書の発行、教育・研修プログラムや資格制度の運営など、その活動範囲は多岐にわたります。

物流管理士などの人材育成施策は、物流実務者の専門性向上とスキルの標準化に寄与しています。

・会員数:約1,200社以上 ※公式サイト
・会員構成:製造業・流通業などの荷主企業、物流事業者、物流関連ベンダー、研究機関など多様
・役員構成:製造業大手の経営層が会長を務めており、物流を経営戦略として捉える視点が明確
・主な領域:物流コスト管理、KPI設定、サプライチェーン全体の最適化、物流白書・調査研究
・人材育成:物流管理士などの教育・資格制度を通じ、物流知識・スキルの標準化に長年取り組んでいる
・政策との関係:産学官連携の検討会や調査研究を通じ、制度と実務をつなぐ橋渡し役を担っている


物流業界団体④ 一般社団法人 日本倉庫協会


出典 公式サイト:https://www.nissokyo.or.jp

日本倉庫協会は、倉庫業の健全な発展と社会的地位向上を目的とした業界団体です。

倉庫業は物流の基盤であり、在庫保管だけでなく、流通加工や輸配送との連携など、多様な機能を担っています。

同協会では、倉庫業に関する法制度対応や安全・品質向上のための啓発活動、行政との連携や政策提言、会員向けの情報提供や研修などを行っています。

近年は、倉庫が単なる保管拠点から付加価値型物流拠点へと進化する中で、その変革を支える役割が求められています。

・会員数:約900社前後 ※協会概要等の公開情報に基づく(年度により増減あり)
・会員構成:全国の倉庫事業者を中心とした構成
・役員構成:大手倉庫会社の経営トップが多数を占め、業界基盤の維持・安定を重視する傾向がある
・主な領域:倉庫業法を中心とした制度対応、税制、安全基準、業界ルールの整備
・政策との関係:倉庫業界を代表する公式窓口として、行政への要望提出や制度調整に継続的に関与している


物流業界団体を理解する意義

物流業界団体の動向を把握することは、物流事業者、荷主企業、物流関連ベンダーにとって重要な意味を持ちます。

業界全体の課題や将来動向を把握できるだけでなく、制度改正や政策動向への対応力向上、自社の物流戦略や投資判断の精度向上にもつながります。

特に環境変化のスピードが速い現在においては、業界団体が示す中長期的な視点を理解することが、持続的な物流体制の構築に向けた重要な前提条件となります。


物流業界団体と企業実務の関係性

物流業界団体の活動は、日々の現場業務と直結して見えにくい場合があります。

しかし、制度対応や業界指針、調査研究の成果は、長期的には企業の物流戦略や投資判断に大きな影響を与えています。

例えば、物流効率化や人材不足対策、環境負荷低減といったテーマは、個社単独での対応には限界があり、業界全体での方向性共有が不可欠です。

業界団体は、こうした課題に対して現場実務の知見を集約し、行政や関係機関との対話を通じて制度設計や運用の改善に寄与しています。

企業にとっては、業界団体が発信する情報やガイドラインを把握することで、将来的な規制動向や業界トレンドを先読みし、リスクを低減した計画立案が可能になります。

また、セミナーや研究会、調査レポートなどを通じて得られる知見は、他社事例や業界全体の動向を客観的に理解する手段として有効です。

特に物流改革や自動化、外部委託の検討においては、特定ベンダーや個別事例に偏らない中立的な情報源として、業界団体の存在価値は高いといえます。

物流事業者、荷主企業、物流関連ベンダーがそれぞれの立場で業界団体の活動を理解し、適切に活用していくことは、短期的な業務改善だけでなく、中長期的な競争力強化にもつながります。


最後に:物流業界団体の情報を、実務にどう活かすか?

ここまで、物流業界団体の役割や活動内容についてご紹介してきました。

物流業界団体が発信する情報は、制度理解や業界動向の把握、他社事例の収集といった観点で非常に有益です。

しかし、ここまで読み進めていただいたことで、改めて次のような課題を感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
・「物流業界団体の資料や指針は参考になるが、自社の現場にどう当てはめればいいのかわからない」
・「情報は集まっているが、何から手を付けるべきか整理できていない」
・「自動化やDXの話は出ているが、前提条件が曖昧なまま進んでいる気がする」

特に、自動化設備の導入や物流体制の見直しを検討する局面では、業界全体のトレンドを知っているだけでは不十分で、
自社の倉庫条件・業態・オペレーションに照らして「何が成立し、何がリスクになるのか」を整理する必要があります。

しかし実際には、設備検討やベンダー選定を進めた後になってから、
・建物条件やレイアウト制約がネックになる
・想定していた運用フローが現場に合わない
・投資対効果の判断軸が定まらない
といった課題が顕在化し、計画の見直しや手戻りが発生するケースも少なくありません。

株式会社T5では、こうした「検討が具体化する前段階」に着目し、物流業界団体が示す指針や最新動向も踏まえながら、

・自社の物流現場で何が課題になっているのか
・どの領域に改善余地があり、どこから手を付けるべきか
・自動化や仕組み化を進める上での前提条件は何か
といった点を整理する支援を行っています。

私たちは、特定の設備やメーカーありきで話を進めるのではなく、あくまで「現場の条件」「業務の流れ」「将来像」を起点に、成立する選択肢と注意すべきリスクを可視化することを重視しています。

「まだ具体的な設備を決める段階ではない」「ベンダーに声をかける前に、考えを整理したい」「業界情報を、自社にどう落とし込むべきか悩んでいる」というタイミングだからこそ、一度立ち止まって上流から整理することで、結果的に遠回りせず、納得感のある判断につながるケースも多くあります。

物流業界団体の情報を“知識”で終わらせず、自社の物流戦略や現場改善につなげていきたいとお考えの方は、ぜひ一度、T5へ現状整理からご相談ください。

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